ローリー・ロリキートの医。

(医と食について、私が探ってきた流れは日記で見て頂ければ。ちょっと長いですが。)

「ローリー・ロリキートの食」も合わせて見て頂ければ嬉しいです。

 

まず、どんな鳥なのか?です。大まかに説明させて頂きますね。

 

見た目も大きさも異なるインコ。ざっくりローリー・ロリキートと呼ばれていますが、下記のように分類されます。

 

鳥綱→オウム目→ヒインコ科・オウム科・インコ科の3科に分類される。
ヒインコ科:
セイガイインコ属・オビロインコ属・ヒインコ属・コシジロインコ属・テリハインコ属・イロドリインコ属・クスダマインコ属・ムスメインコ属・ハナレインコ属・タカネインコ属等。

 

このように多くの属にわかれていて、それぞれが別の鳥だと思った方がいいと言われています。
亜種も多くおり交雑も進んでいますので、とても複雑です。このヒインコ科の鳥さんを英語でローリー・ロリキートといいます。違いですが、ローリーは尾羽が短く、ずんぐりした体型。 ロリキートは尾羽が長く小柄な体型。合わせてローリー・ロリキートといいます。 パロットとパラキートみたいな感じですね。略して「ローリー」です。

生息地も東南アジアからオーストラリアまで幅広く生息しています。離島であったり、山地であったり低地であったり、様々です。

普通のインコ・オウムと異なる点ですが、食べ物が異なります。一番の違いはシード食ではなく花蜜食・果物食であること、故に軟便であることです。そのためローリー・ロリキートには専用フードが必要です。液状のネクター、パウダー、固形のペレット等。野生下では約5,000種の花の蜜や花粉、果実を食べていると言われています。ハチドリと同じく、カロリーが高く消化吸収しやすいものを主食としています。シードを与えると、うまく消化出来ず下痢を起こすことがあり、栄養摂取ができないとも言われていますが、属によっては花蜜がメインだが昆虫やシードも食べる、花蜜とシード半分など様々。合わないものを食べると健康を害しますが、それぞれに合わせたフードは出ていません。

 

そして、この主食を食べるために舌が異なります。花の蜜・花粉・果物を食べるための長い舌は、先端が非常に細かなブラシ状になっており、器用に動きます。

 
https://www.facebook.com/LoryNectar/videos/1975466032693920/

 

主食が花の蜜や花粉、果物ですからシードのように硬くありません。素早く消化・吸収されますので他の鳥さんより、そのうの機能が弱いと言われています。首の部分の食道が広くなっていて胸の食道を経て胃へ流れ込む感じです。このため、そのう検査は行わない病院もあります。


糞の形状ですが、軟便・水様便ぽいものです。ローリー・ロリキートといえば軟便で有名ですよね。やわらかいものや液体状のものを食べている訳ですから、出るものもやわらかく液体状になります。属やあげているフードによって多少の形や色、硬さの違いはありますが、ほかほかのお湯状です。ですから病変かどうか判別しにくいということがあります。飼育本を見てもローリー・ロリキートの糞の変化のお写真は記載されておりません。余程のもの、例えば血便であるとか黒色便なら気付きますが、多尿便とかは見分けが難しいです。普段から主治医とも相談して観察することが重要です。

 

本邦初公開(笑)?うちのこの糞のお写真です。朝のため糞、多めに食べた時、ちょっとおなかが空いた時。これはテリハの、そしてパウダーフードがメインの糞です。属によって、食べているフードによって少しずつ変わってきます。あくまで、ご参考までに。(キスジインコとスミインコ、同じテリハでもやっぱり少し違います。)

朝一番のため糞。

ちょっと多い時。

乾いてきた普通の糞。

おなかが空いていない時の糞。

また主食のせいで頭がすぐに汚れます。汚れが取れやすいようにか頭部に綿羽がありません。すぐ地肌です。脂粉も少ないです。水浴び好きな子が多いですから、野生下でもそうやって汚れを落とすのでしょうね。

水浴び後の怪獣。綿羽がないので、地肌が丸見えです。花の中に頭を突っ込んで花粉や蜜を、やわらかい果物を食べて、べとべとになっても、水で洗えばさっと流して落とし、乾かすことができます。

ちょっと乾いてきたところ。耳の穴が見えますね。

元通り、乾いてふわふわ。

 

 

 

 

 

 

 

 


消化吸収しやすいものが主食ですから、絶食すれば一日程度で、とも言われております。そのうが弱いですから強制給餌はとても難しいです。弱って食べられないようでしたら即「ローリー・ロリキートの経験がある」病院やショップさんへ連れて行ってあげて下さいね。

他の特色・特徴は個体差が当然ありますから「大よそ、こんな感じ」と思って下さい。

・動作がとても敏捷で活発。思わぬ動きが多い。陽気で人懐っこい。頭もよく、遊び好き。 まるで子犬とじゃれて遊んでいるよう。こちらがへとへとになるくらい遊びたがり、運動量はすごい。相手するのは結構、大変。荒れでも馴れると言われる。しかし意外と内弁慶なところがあり外や知らない人の前では大人しくなったりする。

・問題になるのは大きく金属的な甲高い声。軟便よりこちらの方が大変かも。人の言葉を覚えると多少ましになるが、これは他の鳥さんと同じ。

 

・おしゃべりが上手。ヨウムさんには及びませんが、なかなかのもの。

・陽気で活発。興奮しやすく攻撃的になることもある。スイッチのオンオフが素早く激しい。 何がきっかけかわからない、いきなりエキサイトして噛むというのはよく見られる。オモチャで遊んでいてエキサイトし始めたと思ったら、たまたまそばにあった手をついでに噛むとかがよくある。手をはむはむするのが好きな子が多いので噛む感触自体が好きなのかも。発情期は特に激しく噛む子が多いよう。

 

・花や蜜や果物が主食なので食べやすいように、くちばしは鉤状で先端が細く尖ってる。前向きに長いくちばしの形。下向きのオウム・インコ類とは少し違う。噛まれると傷口は小さく見えるが深い穴があき流血もする。爪の伸びが早いので動物病院で爪切りと同時にくちばしの先を少しカットしてもらうとマシに。

・独特の動きをする。採食行動の違いから、さかさまになってぶら下がる、横に伝うことが多い。趾が非常に強い。地面に落ちたシードをついばむのではなく花や果物を探し、不安定な足場でも食べられるようになっている。

 

さかさまになりながら、お水を飲んだりフードを食べているのを見ると「よくお腹まで入っていくよなあ」と感心します。


野生での採食行動の動画。
https://www.youtube.com/watch?v=p7MI67c792g

 

さかさまになって、お水を飲みながらパウダーフードを食べています。

さかさまで、よくごはんがおなかに入っていきますね。

 

・ラテン系ノリだから毛引きしないという訳ではない。感情が豊かで頭が良く、スイッチオンオフが入りやすいので即エキサイト即発情になることがある。それ故に毛引きにもなる。

 

・発情の際コントロールするためのフードが選べない。他の鳥さんであればカロリーの低いフードを選べるが、ローリー・ロリキートは専用フードしかないので、そもそも選択することができない。

 

この専用フードですが、ローリー・ロリキート飼いさんにとって、一番の悩みの種になると思います。健康の全てのもとにもなりますしね。

どれが良いのか?国産はありませんから輸入が途絶えたら?安定して輸入される?廃番になってしまったら?この廃番問題は実際にありました。ケイティ、ズプリーム、ドクターマックは廃番になりましたし、ベタファームは更新されています。ラウディブッシュのようなこともありますね。獣医、飼い主ともに頭を抱えるほどローリー・ロリキートは偏食家が多いので切実な問題です。また、オール・ローリー・ロリキートフードですが、果たしてそれで良いのかという疑問があります。上に書きましたように、ローリー・ロリキートはたくさんの属にわかれていますが、それぞれに合ったフードはありません。昆虫も食べる属もいます(ミルワームのパウダーをあげる方もおられますし、海外の動物園では丸ごとあげたりしています。ロリキート・ランディングのカップの中身がフルーツではなくてんこ盛りのミルワームだったりして、画像的インパクトが。海外では、皆さん虫が苦手とか少ないのかな?)。シードも食べる属、ほとんど蜜食の属もいます。それを示すようにブラシ状になっている舌の構造も少し異なります。オビロ属、ゴシキセイガイ属の舌はふさふさしていますが、テリハ属はそんなにふさふさしていません。生息地域も広く乾燥地帯、熱帯雨林に低地、高地等様々です。それが同じフードというのは、やはり心配になるところです。選択肢の幅が狭く、ベストがなく、各社のフード自体良いものかわからず、個体に合わせたくとも合わせられず、この辺りはかなり頭が痛いです。


換羽時期等、体力や免疫が落ちる時にフードを換えると体調を崩しやすくなります。これは実際に私が経験したことでもあります。これは他の鳥さんでもそうですが数種類のフードを食べられるようにしておきたいですね。


他の鳥さんの罹る病気については同じく罹ります。PBFDもです。ローリー・ロリキート特有の変異株です。今のところ聞いたことはないですが、これから先も大丈夫だという保証は全くありません。注意せねばなりませんね。

 

感染症に弱いようです。食べるものや糞が糖分を多く含み、菌を増殖させやすいせいもあるとも言われています。消化吸収の良い鳥さんだということも関連しているのかもしれません。

 

肝臓と腎臓をいためるこが多いようです。これはまだよく原因はわかっていません。

 

文献によって寿命も異なっています。20年と記載のあるものもあれば7年と記載のあるものもあります。属にもよるでしょうが、はっきりとはわかっていないようです。