皆さま、お久し振りでございます。 

さて、今日は鉄貯蔵病について考えてみたいと思います。シードミックスに 

金属のかたまりが混入していたのでは?という話が少し前に飛び交い、金属 

中毒の怖さについても飛び交い、ついでに鉄貯蔵病についても飛び交っていました。 

この話題で初めてローリー・ロリキートという鉄貯蔵病に罹りやすい鳥がいると 

いうことを知ったという方も多いのでしょうねえ。 

 

「飛翔」さんのサイトに説明があります。 

 

http://hisyoo.co.jp/html/page19.html 

 

以下は私が愛鳥塾にてまとめた記事より。 

 

『ローリー・ロリキートには罹りやすい病気があります。鉄貯蔵病です。 

これはウィキペディアです。人間向けの説明になります。 

「鉄過剰症は体内に鉄が過剰に蓄積されることによって起こる症状また、遺伝子疾患に 

よってヘモクロマトーシスが引き起こされる場合もある。特有の自覚症状は無いが進行 

すると肝障害や心不全などの臓器障害を引き起こす危険性がある。肝臓や脾臓に鉄が 

滞留する血鉄症(Hemosiderosisヘモジデローシス)と肝臓、膵臓、皮膚に貯蔵鉄が 

沈着するヘモクロマトーシス(Haemochromatosis)に分けられる」 

 

人間の医学用語は鳥の医学用語として適当ではないのですが、わかりやすいので。 

鳥の医学用語としては鉄貯蔵病と呼ばれます。体内の鉄分が蓄積し、その毒性により 

肝臓の細胞障害、機能障害を来す病気です。九官鳥、オオハシ、極楽鳥、ヒオウギインコ等 

「鉄貯蔵病感受性種」に見られます。昆虫類を食べる鳥、果物を食べる鳥で発症しますが、 

これらの鳥さんは体の中に鉄分を効率よく取り込み、主食の糖分を効率よく吸収する 

腸のシステムを持っているため発症すると考えられています。しかし、まだ原因は解明 

されていません。また野生では滅多に見られないそうです。野生下では鉄などのミネラルが少ないのですが飼育下の鳥さんでは食事中の鉄が多いために貯蔵過剰となります。 

 

呼吸器症状、呼吸困難、嗜眠、不全麻痺、中枢神経症状、腹部膨満、食欲不振、無気力、

衰弱、削痩、嘔吐、体重減少、下痢、嘔吐等があげられますが、ほとんど表には現れる 

ことがなく突然死を引き起こすことが多いです。体内に蓄積された鉄分は非常に毒性が 

高く、肝臓、膵臓、心臓、脾臓、中枢神経に蓄積しますので、その臓器がおかされて 

しまいます。金属中毒が恐ろしいのは誤嚥による鉛中毒で皆さまご存知かと思います。 

 

この病気には予防しかありません。鉄分の低い食事です。ビタミンCは鉄分の吸収を 

促進しますのでビタミンCの多く含まれている食事、特に柑橘類は控えます。果物を 

主食にしているからと果物をあげすぎるのもです。ビタミンC、鉄分を多く含みます。 

適度にあげましょう。日本の果物は糖分が高いものが多いので肥満にもなりますしね。 

 

専用フードを与えていれば予防できるはずですが海外では表示と異なる鉄分含有量の 

フードの例もあるそうで(2001年報告例ですが)注意が必要です。野生下では見られ 

ない病気ですからフードには慎重になる必要があります。ちなみに予防のための推奨 

鉄分濃度は100ppm以下です。しかしニワトリの成長に必要な量は60~80ppm、 

ローリー・ロリキートは25ppm以下しか必要としません。本当に少ないですよね。 

そしてフードの説明書等に鉄分含有量の記載はありません。ローアイアンと書いて 

あるくらいです。』 

 

私やローリー・ロリキート飼いさんたちは、これにとても神経を尖らせ、鉄分と 

ビタミンCを控えてきました。肝臓や腎臓に負担をかけないように、とも。 

 

だけど。私が知っている限り、旅立ってしまった理由が「鉄貯蔵病」による、という 

ローリー・ロリキートはいません。ほとんどのローリー・ロリキートが突然に 

旅立つか、具合が悪い=肝臓か腎臓の値が悪い、感染症を疑われる、でした。 

肝臓と腎臓が悪いのも、フードのたんぱく質が多くてなのか、感染症から悪くなったのか、 

本当に鉄貯蔵病なのか。本当に、わかりません。何故、かわいいこたちを失わねば 

ならなかったのか、何が理由なのか、飼い主さんたちは嘆くしかできません。 

納得ができないため傷が深く、いつまでもとらわれてしまう。 

 

鉄貯蔵病が恐ろしいのは、突然死を招くこと、肝生検が必要なため、生前に確定診断を 

行うことが難しいところだと思います。でも、罹る可能性が高いのだから、気を配らねば

なりません。 

 

でも、どうやって・・・?