まず、災害が起こって何が困ると言って、食べ物とお水です。

フードは冷蔵庫で多めに保存しておきましょう。これはフードが不安定供給のため、多めに保存しておいた方が良い、ということの延長線上にあります。

多めってどれくらい?ですが、災害時には支援物資配給まで5日もしくは7日以上の食べ物とお水の確保をと言われています。しかしこれはあくまで、わんこさんにゃんこさんの場合です。災害後の供給不安定も考えると、もっと必要でしょうね。人間の備蓄と同様、普段用と災害用とをローテーションして備蓄しましょう。

 

電気が切れても冷蔵庫は開けなければ数時間は冷気がもつそうですので、フードと保冷剤は冷蔵庫&冷凍庫で保存です。保冷力の高いクーラーボックスも併用できればいいかもしれません。保冷剤は小さなものから大きめのものまで何種類かあると安心です。

 

通常のフードの備蓄の仕方ですが、湿気は大敵ですので除湿剤を一緒に入れておきます。間違えて鳥さんに齧られたりしないように注意を。

 

直射日光に晒されると劣化しますので、お部屋で透明な瓶や袋に入れておくと早く傷みます。冷蔵庫で常備か、遮光の瓶や袋を使用しましょう。袋はお医者さんでもらう目薬の茶色の袋の感じです。

 

瓶はこんな感じ。

https://www.toseiyoki.co.jp/material/glass/307

 

袋はこんな感じ。

https://www.shinryo.jp/Products/detail/84

 

どちらもメーカーさんのサイトです。手掛かりになれば。

 

袋はシーラーで密閉しておくといいですね。シーラーも色んな種類のものが出ていますので袋の材質や使い勝手で選ぶといいでしょう。

 

お水ですが、人間用のミネラルウォーターは軟水であればローリー・ロリキートには大丈夫ですが、硬水ですと避けた方がいいです。人間用の備蓄ミネラルウォーターがご心配な方は「ローリー・ロリキートの食」でご紹介した純水を試されてもいいかもしれません。2年はもちます。

 

飲み水とは別に鳥さんの食器を洗浄するお水も必要になります。これは普通の水道水でいいとは思いますが、災害時に豊富に手に入るとは限りません。感染症の原因にもなりますし、人間が使うものとは別に清潔な水が欲しいところです。このあたり、「ペットなんて」という考えのお持ちの方とは合い入れないのだろうなあ。お水を濾過する災害用品も販売されていますね。溜めたお水を使う時は沸騰させて冷ましてから使いましょう。ウォーターサーバーをお持ちだと、電源が入らなくても、お水がストックとして使用できます。食器は細菌がつきにくいステンレスがいいと言われています。

 

避難が続いたり環境が変わると鳥さんにもストレスです。ご機嫌うかがいにオヤツがあればいいかなと思います。ドライフルーツや鳥さん用オヤツが食べられる鳥さんには少しだけ。運動ができない環境であげすぎると健康を害しますので。うちはどちらも食べない派なので、考え中です。人間用の果物ジュースはなるべくあげたくないのですが、時と場合によってはありかも(普段でもあげられそうな添加物なし天然のジュースは長持ちしないんですよね)。

 

キャリーかケージも勿論ですが、お気に入りの、そばにあると落ち着くオモチャも。うちのキスジ男子におさんは愛用ハンモックがないと寝られないと思います。

 

新聞紙、段ボール箱、大き目の布、毛布、タオル、ペットシーツ、ぷちぷち緩衝材、アルミシートなども必要になってくるでしょう。保温・保冷、防音、落ち着かせるため、他人の目から隠すためなど。それを使うためのガムテープや情報を記載するマジックなども。

 

使い捨てカイロ、叩くと冷たくなる瞬間保冷剤も。瞬間保冷剤は持続時間がそんなに長くはないので、普通の保冷剤と組み合わせて使用ですね。温湿度管理に温度計・湿度計が欲しいところです。

 

明かりは必須です。LEDランタンがあると便利だと思います。私はたまたま小型のLED卓上スタンド(300円の)があり、そこそこ部屋を明るくすることができました。電池もセットで常備しておきましょう。

 

情報を仕入れるためラジオ、そして携帯端末も必須です。北海道の地震の時、夜間もやっている動物病院が「電話がつながらないけど、やっています」と発信されたのはSNS上ででした。容量の大きいモバイルバッテリーが必要ですね。ソーラー式、充電式、電池式など様々あります。ものによってはソケット対応もあるようです。

 

卓上ガスコンロがあると人間用の調理も勿論ですが、お水を沸騰させて湯冷まししたり、容器を煮沸消毒するのに便利です。しかし車内やテント内では使用しない(特に車内などで40度以上になる時)、ストーブなどのそばでは使用しない、家具やカーテンのそばでは使用しない、卓上ガスコンロに指定されたメーカー外のカセットボンベを使用しない、という注意事項があります。また卓上ガスコンロもカセットボンベも経年劣化します。ガスは劣化しませんが、容器やリング部分が劣化しますので定期的に点検しましょう。何故こんなことを書くかと言いますと、台風前のお盆に、母の住まいする県に行った時、いつ使ったのかわからない卓上ガスコンロを使わねばならない羽目に陥ったからです。使うと言って火をつけたのは親戚でしたが爆発するんじゃないかと思ってひやひやしました・・・。私も自宅にこれまた前にいつ使ったの卓上ガスコンロを持っていますので点検せねばです。

 

*火を使用する場合テフロン加工のフライパンやお鍋は危険です。非常用明かりとしてアロマキャンドルをとなる場合もありますが、避けた方がいいです。これは周囲で使用されている場合も注意しましょう。同じく蚊取り線香・虫よけもです。空気の流れにのってきたりすると(見えないだけに)危険です。ご近所で火災があった場合も同じくです。2018年に大阪の湾岸で工場火災がありました。うちからはかなり遠かったのですが、臭いがして驚きました。奈良でも臭いがしたそうです。人間の健康に害はないとのことでしたが、怖かったです。鳥さんは呼吸器系が敏感ですから。

 

モバイルバッテリーについても書きましたが、ポータブルな家庭用蓄電池があれば更に良いでしょう。災害用キャンプ用、様々な種類があります。ポートの数や形、出力波形をチェックしましょう。マキタのがいいよ!てキャンプ好きな方からオススメされたんですが、実は私はキャンプ経験がまっったくなく、いざ買っても「使い方がわからん!」てなりそうなので、購入前の下調べと、購入後の試用運転はしておいた方がいいと思います。この蓄電池を何故、私が欲しいなと思ったのかと言いますと「保温・保冷ができるから」なんですね。ソケット対応のものなら、いつも使用してるヒーターを使えます。保冷は、と悩んだのですが「卓上のポータブル冷風機を風が鳥に直接あたらないよう段ボールなどで工夫して利用する」ということも可能かと思います。氷水じゃないとそこまで冷えないでしょうけれど保冷剤などで補えばどうかな、と。年々、夏は高温になり、保温より保冷の方が難しいのではないかと感じます。

家庭用発電機もありますが、音がうるさいようです。燃料の扱いが難しいものもあります。実際に事故も起きていますので、注意して使用しましょう。ガスボンベで使えるものもありますが使用時間に不安がありますね。

 

*2018年11月、職場があんまり寒い私はとうとうデスク下における小さなヒーターを購入しました。これが結構あたたかい。私は2,000円の最小セラミックヒーターにしましたが色んな種類のものが出ています。パネルヒーターもあります。電源さえあれば、こういったものも使えると思います。勿論、療養中にも。ただ、私のセラミックヒーターはそれなり音がすることと、最初、少し臭いました。購入した場合は鳥さんとは別のお部屋で試運転してから使用なさって下さいね。

 

*電池は機器によって複数種類の電池を備蓄しておきましょう。また電池が入りっ放しだといざという時に使用できませんので定期的に点検しましょう。ソーラーパネルも経年劣化があるそうですので、こちらも同じくです。

  

消毒薬も必須です。ウィルスまで殺菌可能なものを。消臭も気にせねばなりません。また作業等の後は必ず手指を消毒して鳥さんに触れましょう。ローリー・ロリキートの場合、手指だけでなくあちこちべろべろしてくると思うのですが、恐らく人間は清潔に保てないと思いますので出来るだけ、べろられないように気をつけなければ環境変化で免疫力抵抗力が落ちているローリー・ロリキートは感染症を起こすと思われます。避難所では埃が舞いやすく、床で寝ていることもあり、真菌症が増えるそうです。環境の変化のストレスで免疫低下している時に真菌は大敵です。また、避難所での感染症として普通の鳥の感染症だけでなく人畜共通感染症についても注意しましょう。感染症に関しては「うつされる」だけでなく「うつす」ということも頭に入れておかなければなりません。これは普段から意識しておかねばなりませんが。災害発生時にはハエやネズミが増えることもあります。ハエやネズミを介しての感染症(ネズミに関しては直接の身体的被害も)気にしておきましょう。「鳥」というだけで「鳥インフルエンザや!オウム病や!」と誤解する方が多いですし、きちんと殺菌消毒消臭していると示すのはトラブル回避になると思います。

 

緊急連絡先や健康状態を記したものも常備しておきましょう。慢性疾患のある鳥さんの場合はお薬や療養食が重要になってきます。

 

*人間用の備蓄は記載していませんが人間が足りてなく、いらいらすると鳥さんにも良くありませんので人間用の備蓄も勿論です。合わせて備蓄すると、小部屋いっぱい防災用品備蓄とかになりそうですよね。実際の、その時その環境によって、必要なものは変化すると思います。災害の種類にもよるでしょうし、備えていても備蓄自体が取り出せない状態になるかもしれませんし。ご自身の中で取捨選択し、何を最優先とするか、考えねばならないと思います。私も悩ましいところです。