ローリー・ロリキートはシード食ではなく花蜜食・果物食です。 野生下では約5,000種の花の蜜や花粉、果実を食べていると言われています。ハチドリと同じく、カロリーが高く消化吸収しやすいものが主食。シードを与えると、うまく消化出来ず下痢を起こすことがあり栄養摂取ができないと言われていますが、属によっては「花蜜がメインだが昆虫やシードも食べる」「花蜜とシード半分」など様々。合わないものを食べると健康を害します。しかしそれぞれに合わせた フードは出ていない現在、ローリー・ロリキート専用フードをあげながら副食として野菜や果物をあげるのが良いと思います。このあたりはペレット主食のインコ・オウムと同じですね。何事も偏らずバランス良く、が基本。

ただ、鉄分貯蔵病に罹りやすいインコですので、鉄分吸収を良くするビタミンCを多く含む柑橘類などは避けた方が良いです。たまに少しあげる程度なら問題ないと思いますが、あげ過ぎは禁物です。

昆虫も食べる属には、たまにミルワームも良いでしょう。海外のロリキート・ランディングのカップにミルワームが、というお写真も見ます。そのままではちょっと、という向きにはミルワームのパウダーも販売されているそうです。

シードも食べる属にはシードも。脂肪分が高いシードはあげ過ぎに要注意です。

 

他のインコ・オウムにあげられるものはおおよそ大丈夫です。果物は日本のものは糖分が高いので、あげすぎると肥満になるところも同じです。ローリー・ロリキートは肥満になりやすいとも聞きます。

 

下記は洋書等に記載があるものです。

〇果物

メロン、パパイヤ、マンゴー、キウイ、りんご、洋梨、バナナ、葡萄、アプリコット、プラム、桃、ネクタリン、さくらんぼ、いちご、すいか、いちじく、グァバ等

〇野菜

人参、唐辛子、緑の葉物野菜、スプラウト、セロリ、とうもろこし、さつまいも、かぼちゃ、ブロッコリー、ピーマン、豆類等

 

〇食べられる花 

ボトルブラシ 

カーネーション 

カモミールの花 

チャイブ 

デイジー 

たんぽぽ 

エルダーベリー 

ユーカリ 

グラジオラス 

ハイビスカス 

インパチェンス 

ライラック 

ナスタチウム(キンレンカ)

ミルクシスル (マリアアザミ)

パンジー 

パッションフラワー 

バラ 

セージ 

スミレ 

マリーゴールド 

カレンデュラ(キンセンカ)

*マリーゴールドには観賞用とハーブ用の種類があります。観賞用はマンジュギク属(アフリカン・マリーゴールド、フレンチマリーゴールド等)。ハーブ用はポット・マリーゴールドと呼ばれるキンセンカ属(カレンデュラ属)。

 

うちの場合、お花をかごに入れたらパニックになるので、そのままあげるのは無理だと思います。ボトルブラシの花をかごに入れてあげたら蜜をなめた!という方の記事を拝見するといいなあ!とうらやましくなります。海外の屋外飼育のローリー・ロリキートのかごの上に花付きの枝をばさっと置いたら、わらわら寄ってきて蜜や花粉を食べたり花弁を千切っているのを見たことがあります。丸い透明ボールに穴を開けたぶら下げフォージングトイ(振ればペレットとかシードが穴から出るタイプのもの)に花を詰め込んだものをあげると、花弁を取り出そうとするのも見たことがあります。小さい頃から慣れ親しんでいたり、好奇心旺盛な子は大丈夫かもしれませんね。あげる際は野菜と同じく農薬のついていないものを綺麗に洗ってからあげて下さいね。

 

花もハーブも昔に比べ入手しやすくなりました。ただ、やっぱり乾燥させたものがどれくらいいいのかとか、その花が生育地域に生えているのかとか、どれくらいが適量なのかはわかりません。花もハーブも、薬効が小さな、それも消化吸収の良いローリー・ロリキートにどれくらいが適量なのかわかりません。オヤツ程度にちょっとたまにあげるくらいにしておいた方がいいのかなと個人的には思います。 

 

*アブラナ科の植物(小松菜、キャベツ、チンゲン菜、カリフラワー、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト等)は甲状腺腫誘発物質が含まれているので避けた方がいいと言われています。豆苗はマメ科ですがイソフラボンを多く含むので発情を促すので避けた方がいいと言われています。ほうれん草などのシュウ酸を含む野菜もカルシウムの吸収を阻害するので避けた方がいいと言われています(スターフルーツという果物にも含まれています)。

セキセイさんや文鳥さんなどに症状が多くみられる(ブロッコリーでの甲状腺腫発生はセキセイさんでの報告)ため、ローリー・ロリキートにどれくらいの影響があるかははっきりしません。あげ過ぎではない限り大丈夫だとは思いますが念のため、お心に留めておいて下さいね。何事もバランスだと思います。

個人的には、豆苗の入れてある容器で水浴び→水浴び中・後の豆苗を食べてしまう、ということの方がちょっと気になります。薔薇の花びらを浮かべたお風呂に入りながら、その花びらを食べる・・・人間で言うとそんな感じかな?と思ってしまうので。

 

*はちみつって?

はちみつは昔から「あげる」「あげない」論争があります。あげている方もおられますし、あげない方もいらっしゃいます。ローリー・ロリキートは花の蜜を食べてるんだよね?じゃあはちみつじゃないの?と思ってしまいがちなのですが、実は違うのです。

 

はちみつ(ウィキペディアから)

「蜂蜜の基となる花の蜜は、メスのミツバチによって採集される。採集された花の蜜はショ糖液、つまり水分を含んだスクロース(ショ糖)の状態で胃の前部にある蜜嚢(蜜胃)と呼ばれる器官に貯えられる。蜜嚢が花の蜜で満たされるとミツバチは巣へ戻る。

一般にミツバチが採集した花の蜜が蜂蜜であると考えられがちであるが、花の蜜が巣の中で加工、貯蔵されたものが蜂蜜であり、両者の性質には物理的、化学的な違いがある。まず、花の蜜は蜂蜜よりも糖濃度が低い。一般に花の蜜の糖度はミツバチが採集した段階で40%未満であるが、巣に持ち帰られた後で水分の発散が行われる結果、蜂蜜の糖度は80%前後に上昇する。また、水分発散のための作業の一つとして、ミツバチは巣の中で口器を使って蜜を膜状に引き延ばすが、この時ミツバチの唾液に含まれる酵素(インベルターゼ、転化酵素)が蜜に混入し、その作用によって蜜の中のスクロースがグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に分解される。ミツバチの口器を通してはこの他に、本来花の蜜には含まれない物質が混入する。一例としてコリンが挙げられる。コリンはミツバチの咽頭腺から分泌されるローヤルゼリーに含まれる物質であり、ミツバチが花の蜜の水分の発散と並行して同じく口器を用いて咽頭腺から分泌されたローヤルゼリーを女王蜂の幼虫に与える作業を行うため、ローヤルゼリー中のコリンが蜂蜜に混入すると考えられる。」

 

つまり、似て異なるものなのですね。糖度、糖の形が異なり、ミツバチの酵素など花の蜜以外の物質も混入している、ということになります。また、小さなお子さまがいらしゃる方はご存知かもしれませんが「乳児ボツリヌス症」というものがあります。これもまたウィキペディアからです。

 

はちみつの乳児ボツリヌス症

「蜂蜜の中には、芽胞を形成し活動を休止したボツリヌス菌が含まれている場合がある。通常は摂取しても、そのまま体外に排出されるが、乳児が摂取すると(芽胞の発芽を妨げる腸内細菌叢が備わっていないため)体内で発芽して毒素を出し、中毒症状『乳児ボツリヌス症』を引き起こし、最悪の場合、死亡することがあるため、警戒を要する。芽胞は、高温高圧による滅菌処理(120℃で4分以上)の加熱で不活性化されるが、蜂蜜においては酵素が変質するので、この処理は不向きである。日本では1987年(昭和62年)に厚生省が「1歳未満の乳児には与えてはならない」旨の通達を出している。同省の調査によると、およそ5%の蜂蜜からボツリヌス菌の芽胞が発見された。なお、ボツリヌス菌による健康被害を防止するため、日本国内の販売商品には「1歳未満の乳児には与えないようにしてください」との注意書きがラベルに表記されている。注意書きの冒頭が「蜂蜜は生ものですので」と始まることもあるが、単に煮沸すればよいものではなく、常圧で沸騰させることでは芽胞を死滅させることはできない。」

 

このボツリヌス症を危惧するため、はちみつをあげない方が良いという説があるのです。海外の文献では「生はちみつは駄目だが、加熱処理をしたものは良い」というものもあります。しかし、この加熱処理ですが上にもありますようにボツリヌス菌の芽胞は通常の加熱や調理では死滅しません。

 

この生はちみつ、最近は日本でも流行っているようで「生はちみつ」「非加熱はちみつ」と言われているようです。普通のはちみつは一般的に遠心分離機で巣ごと回して収穫するため、中に花粉や巣の欠片が混入します。その殺菌のために加熱する必要があります。生はちみつは遠心分離機を使わず手作業で収穫するのでグルコン酸、ミネラル、ビタミン、酵素が多く含まれていると言われています。そういう訳で手間をかけて搾りたてで栄養がある生はちみつが体に良い、ということで流行っているようですね。

 

このはちみつを作る作業ですが、養蜂家や会社によって異なり、かつ公開されている訳ではありません。45℃を越えると栄養価が減少し65℃で壊れると言われています。なるべく45℃以下を保つのが良いのですが、はちみつは結晶化するため、瓶詰しやすいように加熱や濃縮したり、不純物を取り除くためフィルターで濾過されたりします。生とか非加熱とか言われていても、というか、はちみつの加工において、どの程度の処理をされているかわからないのです。

 

また、はちみつには他にも種類があります。「純粋はちみつ」「加糖はちみつ」「精製はちみつ」。純粋はちみつは、天然のはちみつ。加糖はちみつは、はちみつ以外の糖を加えたもの。精製はちみつは、はちみつから臭いや色を取り除き甘味だけを抽出する加工されたもの(家庭ではあまり使用されないらしいです。)。他にも国によって、花の種類によって香りや効能が異なるそうです。基準自体も日本と海外では異なります。調べれば調べるほどに訳がわからなくなってきます・・・。

 

本来の主食である花の蜜とは異なること、ボツリヌス症の危惧があること、基準が曖昧であることを納得し、選別が可能であれば、あげてもよいのかな・・・。この論争は長く続けられており、なかなか決着がつかないのも納得、という感じです。(ちなみにビーポーレンも厳密に言えば「花粉」ではありせん。難しいですね。)